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今週の物欲 Vol.5〜 SotmのsNH-10G 〜世界唯一の機能を備えたオーディオ向けハブ。

2020年05月07日
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ハイレゾ
Sotmのハイエンドオーディオ向けネットワークハブ sNH-10G

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・価格     220,000円(2020年6月現在 購入可能)
・マニアー度  ★★★★
・レアー度   ★★
・ハイレゾ度  ★★★★★


実は私はハイレゾマニアーなのですが、今回の物欲はSotmという会社のオーディオ用ネットワークハブ、sNH-10Gです。

このネットワークハブというのは、いわゆるLAN端子をPCやモデムとつなぐための用途で使われているもので、皆さんのオフィスやご自宅にもある身近なものです。

【一般的なハブ】
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→アマゾンで一般的に売られているハブ

メーカーとしてはBuffaloやTP-Link、Net Gearなどが代表的ですね。
安いものだと1,500円〜3,000円くらいで買えます。

一方、今回ご紹介するSotm sNH-10Gというモデルは、一台22万円もします。それを当宅の場合は2台連結して使用するため、40万円以上と普通のハブの100倍以上のコストが掛かってます。

別に値段が高いから偉いとかそういうことではなく、100倍の価格を払うだけの機能を備えているから仕方なく導入したということです。
別の言葉を用いると「他では達成できない価値を有している」となりますね。

しかもこのハブは、ハイレゾ音源の再生に特化しています。
要するにオーディオマニアー以外の方には一生縁がなく、普通に生活していれば目にすることも殆ど無いでしょう。

ということで、マニアー度は★★★★、現在もネットで買えますのでレアー度は★★、ハイレゾ度を★★★★★としました。


Sotm社について〜 ハイレゾ界のイノベーター的存在

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ここで、Sotm社のご紹介。
Sotm社は、Soul Of the Music(音楽の魂)が名前の由来となっており、音響PCパーツから最先端のデジタルオーディオまで取り扱っている韓国のメーカーです。

正直なところ、韓国は好きじゃない国の個人的ランキングで上位に入る常連国なのですが、この分野で先進的な技術を保有したメーカーが他に存在しない以上、国で差別する訳にはいきません。

今回ご紹介するハブ以外にも、50Ω正弦波出力を持った10Mマスタークロック sCLK-OCX10や、USB信号を内部でクロッキングして信号を生成するUSBリジェネレーター tX-USBultra、さらにはあらゆるフォーマットを再生可能なネットワークトランスポート sMS-200ultra Neoといった超個性的な製品を開発・発売しています。

ハイレゾ時代の申し子みたいなメーカーですね。

日本では、ブライトーンという会社が代理店をやってます。
このブライトーンは他にLUMINやStillpointsなど、ハイレゾやハイエンドオーディオに強い代理店ですね。
サポート体制は安心して良いと思います。


sNH-10Gの仕様〜 何が世界初なのか


それでは、sNH-10Gの機能について。
このハブのスペックをメーカーサイトから引用してみます。

【SOtM sNH-10G 仕様】
ユーザーインターフェース : 電源表示 LED X 1
リンク表示 :
 前面 : LED x 10
 背面 : LEDx 8、電源スイッチ
ネットワークサポート :
IEEE 802.3 10Base-T Ethernet、
IEEE 802.3u 100Base-TX Fast Ethernet、
IEEE 802.3u 100Base-FX 100Mbps over fiber optic、
IEEE 802.3ab 1000Base-T Gigabit Ethernet、
IEEE 802.3z 1000Base-T 1 Gbps over fiber optic、
IEEE 802.3x flow control and backpressure、
Full-duplex and half-duplex operation、
Supports 9216 byte jumbo packet length
入出力 : RJ-45 ports x 8、SFP ports x 2
オプション入力 : 10MHz マスタークロック入力
外部電源入力 : 入力電圧 : 9Vdc (12Vdc, 6.5~8.5Vdc)
電圧許容値 : ±10
入力電流 : 2A max/ 5.5mm OD, 2.1mm ID adaptor jack
動作環境 動作温度 : +10~+30℃
保管温度 : 0~+40℃
動作湿度 : 10%~90%
寸法及び重量 寸法 296×211×50(mm)、重量 2Kg

上記のうち、入出力端子にRJ-45 portsが8つとあります。
これは、普通のLAN端子が8つ接続できるということです。

一方、SFP端子は2つとありますが、ここがこのハブのエポックメイキングなところです。
すなわち、オーディオ向けのハブとして世界で初めてSFP光転送を実装したのです。

通常のLANは電気接続であり、信号を電気として通す以上、必然的にノイズが伝送されてしまうという宿命にあります。
デジタル信号がノイズを含んだ信号を送受することは、CD誕生時から叫ばれてきたことでした。
しかし、SFPが使用する光転送にはノイズを遮断する効果が期待できるのです。


また、10Mのマスタークロックを受けられるという点も、オーディオハブとして世界初の出来事でした。

クロックというのは、デジタルの世界において信号の全てを司る核にあたる存在です。
IntelなどのCPUのスペックがクロックで決まっていることは、皆さんご存知だと思います。
ほとんどのデジタル機器はクロックを備えていますが、オーディオの世界ではクロックが信号の送受タイミングを決める存在になるため、さらに重要度が増しています。

本来、各デジタル機器は独自のクロックを備えており、独自の動きをしています。
しかし、もしこのクロックを揃えることができれば、全ての信号を1つのコントロールセンターで司ることができるようになり、完全に制御できるようになる訳です。
このため、「マスタークロック」という言わば「標準語」を設けることで、各機器のタイミングを揃えることが近年できるようになりました。
それが、10MHzという周波数を基準にしたマスタークロックの概念です。


sNH-10Gは、10Mのマスタークロックを受けることができるようになっています。
それが何を意味するかと言うと、他のオーディオ機器、例えばDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)やハイレゾネットワークオーディオプレイヤーと動作周波数を一致させることにより、位相を完全に揃えることができるということです。

例えるならば、みんなが超高性能な時計で時間を揃えることにより、世界中どこにいても同じ時間にZoomで集まることができる、といったところでしょうか。下手な例えですみません。


とにかく、このSFPコネクタと10Mクロックの設置がハイエンドオーディオの世界に新風をもたらしたということですね。


sNH-10Gの使用方法〜 2台を用意することの意義


sNH-10Gを使ってみます。
パッケージを開梱すると入っているのは、付属のDCアダプタです。
このDCアダプタ、実は発注時に電圧を選べるようになっています。

これは、電圧の上下で音質が向上することを狙うというようよりは、オーディオ向けの高音質DC電源に交換して欲しいというメーカーの意図を感じますね。
3種類の電圧が選択可能ですが、一般にオーディオ向けの電源が多く販売されているのは9Vと12Vだと思いますので、このどちらかを選べばよいでしょう。

ちなみに当宅ではCSEの電圧可変オーディオ安定化電源(12V)と、エルサウンドのオーディオ向け電源(9V)を同時購入しました。
付属のDCアダプタも試しましたが、全く勝負にならないくらい解像度や音場に差が出ます。トータルコストはさらに上がりますが、電源は交換することを前提に考えられると良いと思います。


次に、SFPの接続について。

SFPをLANネットワーク上で使用する場合、光メディアコンバーターという機器が必要になります。
SFPとLANの変換機器で、下記写真の左下のやつですね。

IMG_2866.jpg


私が購入した当時、ブライトーンのキャンペーンでSFPモジュール、TP-LINKの光メディアコンバーターとSFPケーブル(1M)が付属していました。
しかし、この光メディアコンバーターが結構なノイズを出すため、使用するうちに不満が出るようになりました。
良質なメディアコンバーターの情報もなかったので、しばらくは途方にくれていたのですが、ある日素晴らしいアイデアを思いつきました。
もう一台sNH-10Gを導入するという案です。


これは、sNH-10Gを2台用意することで、それぞれの機器内で1回だけ光→LANのコンバートを行わせ、ノイズの発生を最小限に留めるということでした。
コストは2倍(電源などを含めればそれ以上・・)になりましたが、我ながら実に良いアイデアだったと思います。

実際に、約1年ほど前にスフォルツァートの小俣さんの試聴室で実証してみたのですが、目覚ましい音質改善を得ることができました。
最近、この情報を聞かれたオーディオショップのカンタ●●●さんが最近、DELAの新型ハブS100を試聴会で2台用意し、SFPで接続してノイズ遮断する効果を強調されていましたが、これは私のパ●リだったということです・・。
ただ、権威あるオーディオショップの店長が真似してしまうほど、高い効果があるということを示していますね。
これは素直に嬉しいですね。


また、SFPの光モジュールでも結構音が変わります。。
現在はTP-LINKのものが簡単に安く入手できますが、これは音質的にオススメできません。
やはり小俣さんといろいろ実験して一番音の良かったモジュールがあるのですが、あまりにもマニアックすぎる試聴でしたし、その時の結果はまた別の機会にご紹介します。

ここでは、光モジュールでケーブル並みに音が変わった、ということだけ付け加えておきます。


実際に使ってみる〜 異次元の音質向上幅


さて、次に実際に音を聴いてみた印象を記したいと思います。5つのパターンで、それぞれ条件を変えて視聴しています。
試聴の諸条件は、以下の通りです。

・sNH-10G① --- 電源:CSE RPC-200(12V) 光モジュール:シスコ GLC-SX-MM クロック:1万円以下の安価クロック、ESOTERIC G-01

・sNH-10G② --- 電源:エルサウンド DC12V3A(ファンなし) 光モジュール:シスコ GLC-SX-MM クロック:安価クロック、ESOTERIC G-01など

2台のsNH-10Gは60mm厚のサクラ無垢材をベースとし、それぞれ山本音響工芸のPB4-2(真鍮と黒檀で構成されたインシュレーター)でフロートさせています。

比較対象として当て馬的でかわいそうですが、JS PC AUDIOのHFS1150を用意しました。このHFS1150は音がいいハブとしていろんな雑誌で評価されているもので、大体6万円程度で売られていましたが現在は廃盤。
中身は(おそらく)TP-LINKをベースに改造したもので、メーカーが独自に設計した代物ではありませんが、普通のハブと比較すればかなり高音質な部類に入ります。
私も実際に使用していて、割と満足しておりました。

以下、①〜⑤の試聴結果です。


【①HFS1150とsNH-10G(SFP・クロックなしでLAN接続のみ)の単体比較】

これはsNH-10Gの圧勝です。解像度・音数・音場など全てにおいてsNH-10Gが圧倒しており、勝負になりませんでした。この時点でHFS1150と比較する意味はないと判断し、以降は試聴環境から外しています。

【②sNH-10G 2台のLAN接続と、sNH-10G 2台のSFP接続を比較】

解像度及びS/N感に対し、相当に大きな差が出ました。
SFP接続に替えた瞬間、背景ノイズが一気に下がった印象です。他方、音場(ステージの広さ)はそれほど変化ない様に感じますが、とにかく静かになりました。

【③sNH-10G 2台をSFP接続し、クロックなしと1台に安価なクロックを入れた場合を比較】

これは意外にもかなり大きな変化幅でした!
S/N感はクロックなしの場合とあまり変わりませんが、音に生命力が宿っています。ステージも広がりました。

【④sNH-10G 2台をSFP接続し、クロックなしと2台に別の安価クロックを接続した場合を比較】

③よりさらに音が元気になり、躍動感を感じます。変化幅は、②→③の半分くらいです。
どうやらsNH-10Gに積んであるデフォルトのクロックは、あまり上質のものではないようですね。

【⑤sNH-10G 2台をSFP接続し、クロックなしと2台にG-01を接続した場合を比較】

これはもう、次元が違います。
ステージは広大で、スピーカーから完全に音が抜け出したかのような音場。ボーカルの位置がさらに上方に上がり、天井からも音が降り注ぐかのよう。
①のHFS1150と比べると、ワンルームが小ホールに変わったくらいの劇的な変化です。
音の迫力も格段に向上し、管楽器は金粉が飛んでくるかの生々しさでこちらに迫ってきます。
再生系も含めて位相が揃ったためか、音のにじみが消え去る一方で余韻はより長く感じられます。


敢えて独断と偏見で点数をつけてみると、HFS1150=50点素のsNH-10G=100点
sNH-10G 2台をSFP接続したもの=160点、うち1台に安価クロックを入れる=200点2台に安価クロックを入れたもの=220点
sNH-10G 2台をSFP接続した上で両方にG-01の10Mクロックを入れたもの=300点

こんな感じです。
SFP接続によるノイズ低減効果よりも、良質なクロック供給による上昇幅の方が2倍大きいという印象です。改めて、クロックの重要性を痛感した試聴となりました。

ちなみにHFS1150に対してsNH-10Gの全部盛りは6倍の点数ですが、G-01は単体で100万円を超えるため、コストパフォーマンスではHFS1150に負けてしまいますね。
ただしシステム全体の変化幅としては、主観ではCDプレイヤーを交換したくらいの差が出てくるので、コストをかける意味は大いにある、ということになります。


結論的なもの


オーディオ用のハブというカテゴリーは、なかなか評価が難しい分野だと思います。
実際、オーディオ評論家でもそこまでこだわっている方は少ないです。

ただし、確実に音に効く製品でもあります。
ネットワークオーディオの環境ではWifiが必須ですし、Wifiに接続するためには必ず信号がハブを通ることになります。
このハブがノイズの海であるルーターやPCから隔絶されていなければ、再生する音楽や音の質を保つことは至難となります。

もしあなたがハイレゾに取り組まれていて、現状の音質に満足されていないようでしたら、sNH-10Gは非常に有力なツールになると思います。
最初から2台用意することは難しくても、単体でほとんどのオーディオ用ハブを上回る実力を備えており、さらにSFP接続やマスタークロック入力などの大きな伸びしろが保証されています。
これはもはや、オーディオ機器と呼んでも差し支えない製品だといえます。

これだけの製品を韓国という小国が生み出したこと・生み出せたことに、驚きを禁じ得ません。
この分野では、残念ながら日本を凌駕する実力を備えつつあるということです。
日本もよほどフンドシを締めてかからないと、置いていかれるかもしれません。
DELAなど、国産メーカーにも奮起を期待したいですね!
 
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Posted by butsuyoku-weekly
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